otaku8’s diary

映画のこととか

ユスフ三部作を紹介してみる

 東京国際映画祭(TIFF)が開催.TIFFといえば,第30回東京国際映画祭のコンペティション部門でグランプリを取った『グレイン』がある.『グレイン』のあらすじはこんな感じ.

近未来。種子遺伝学者のエロールは移民の侵入を防ぐ磁気壁に囲まれた都市に住んでいるが、その都市内の農地が原因不明の遺伝子不全に襲われてしまう。エロールは人類の危機を救うため、遺伝子改良に関する重要な論文を執筆中に姿を消した同僚研究者アクマンを探す旅に出る。

グレイン : 作品情報 - 映画.com より

www.imdb.com

まだ日本公開はされておらず,日本でも早く観れるようになることを願っているのですが,今回は『グレイン』の監督であるセミフ・カプランオールが監督したユスフ三部作を軽く紹介してみようと思います.

 

 

シリーズの特徴

 ユスフ三部作はユスフという男の半生を描いたシリーズ.面白いことに,作品順としては『卵』『ミルク』『蜂蜜』なのだが,物語の時系列順は『蜂蜜』『ミルク』『卵』であり,時間を逆行していく形になっています.幼少期まで遡っていくことで,ユスフという人間の本質に向き合っていきます.

 また,劇伴はなく自然音のみが流れ,ゆったりとした静かな時間が流れます.

 

『卵』

www.imdb.com

イスタンブールで暮らす詩人のユスフは、母親の訃報を受けて何年も帰っていなかった故郷に戻る。古びた家ではアイラという美しい少女が待っており、ユスフはアイラが5年にわたり母の面倒を見てくれていたことを知る。アイラから聞いた母の遺言を実行するためユスフは旅に出るが、それは自身のルーツをたどる旅でもあった。

卵 : 作品情報 - 映画.com より

 

『ミルク』

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高校を卒業したばかりのユスフは、母ゼーラの営む牛乳屋を手伝いながら大好きな詩を書き、そのうちのいくつかを文芸誌に発表していた。そんなある日、母と町の駅長との親密な関係を目撃してしまったユスフは当惑し、大人になることに不安を覚え始める。

ミルク(2008) : 作品情報 - 映画.com より

 

『蜂蜜』

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養蜂家の父と母とともに静かに暮らしていた6歳のユスフは、父親が消えたハチを探しに森へでかけてから、言葉を失ってしまう。それでもユスフは、大嫌いなミルクを飲んで心配する母親を励まし、帰ってこない父親の後を追って1人で森の奥へと入っていく。

蜂蜜 : 作品情報 - 映画.com より

 

 『蜂蜜』は第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した作品で,幼少期のユスフの物語が描かれます.物語の中には「ミルク」や「卵」が登場し,前二作を想起させます.彼は吃音であり,うまく話すことが出来ません.前二作と同じく劇伴はなく,本作は特に静寂が印象的で,台詞で語らない美しさが際立っています.