『レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星』はリドリー・スコットが製作総指揮を務めるドラマシリーズだ。現在シーズン2まで作られているが、なんと打ち切りになってしまうらしい。海外ドラマを追っていると、こういうことにたびたび遭遇する。例えば『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』や『ノット・オーケー』もそう。とりあえず打ち切りを撤回してもらいたいものだ。
このドラマ、非常にリドリー色が濃い。ミトラ教徒と無神論者が戦争をしている世界で、とある無神論者のカップルがミトラ教徒になりすまして地球を脱出する。一方で無神論者に再プログラムされた2体のアンドロイドは無人の惑星で子供を育てようとする、というのがあらすじなのだが、宗教と信仰、アンドロイド(ちゃんと「白い血」が出る)をテーマに扱っており、リドリー・スコットの『エイリアン』『プロメテウス』シリーズや『ブレード・ランナー』が真っ先に思い浮かぶ。
リドリー・スコットは最近、『プロメテウス』シリーズや『エクソダス:神と王』などで改めて(カッコ付きの)「神話」を語ろうとしているように見える。そう考えると『レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星』をリドリーがやるのはとても自然なことに思える。彼のそういう思想が貫かれた『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』の続編を待っている身としては、このドラマが打ち切られては困るのである。