映画祭の月
『恋するアナイス』
— Taku (@batmanight) 2022年10月1日
先日観た『スペンサー』から引き続き『燃ゆる女の肖像』的な海岸のイメージが前景化したクィア映画でありながら、将来不透明な主人公が自己愛を見い出していく作品とも捉えられる。程よいユーモアが散りばめられており、コメディとしても面白い。疾走感溢れる冒頭から好きになる。 pic.twitter.com/ullQCo1KQA
『秘密の森の、その向こう』
— Taku (@batmanight) 2022年10月2日
大傑作
技術面で素晴らしいのは勿論、
"Au revoir"と別れを告げていく冒頭から始まる、まさに夢のような幼少期のひとときを描くミニマムな物語にやられてしまったので、『燃ゆる女の肖像』より好み。
スマートな場面転換も最高だ。 pic.twitter.com/KzlZ0ZoJsg
『ブリュノ・レダル、ある殺人者の告白』
— Taku (@batmanight) 2022年10月2日
1900年代初期に実在した殺人犯についての映画。特筆すべきは彼の手記を再現したというナレーション。一見説明過多に思える語りは、娯楽性を持たせようとする通常の映画とは全く違う目的をもって使われているのだろう。彼の原動力となる欲求が興味深い。 pic.twitter.com/YY5BSfOqLh
『#夜を越える旅』
— Taku (@batmanight) 2022年10月3日
前情報を入れずに観たので、物語の転調に結構びっくりした。あまり語らない方がいいと思うが、美しい映像表現に魅了されてしまった。自然体な演技をする役者陣も大変良く、特に中村裕美子さんを捉えるショットは非常に魅力的で、それが物語の推進力に直結している。@FansVoiceJP pic.twitter.com/Ls47KwwJZN
『 #ファイブ・デビルズ』
— Taku (@batmanight) 2022年10月12日
「ファイブ・デビルズ」という閉鎖的な村。そこで展開される物語は、諸々の描写も相まってどこか中世「魔女狩り」を連想させる。クィア映画でありつつ、「匂い」でタイムリープする子供をメインに据えることで、見たことのない意欲的な作品になっている。@FansVoiceJP pic.twitter.com/OwW0Qm0ag1
『画家と泥棒』
— Taku (@batmanight) 2022年10月13日
やはりドキュメンタリーには作劇的な面白さもあると再認識。自分の作品を盗まれた画家がその泥棒に接触し、交流を始める。そこから始まるドラマがとても魅力的。人間同士の関係性を「描く」ものとしての絵画というモチーフが、(事実なので)期せずして感動を呼ぶ。傑作。 pic.twitter.com/eh6WfL1U18
『カラダ探し』
— Taku (@batmanight) 2022年10月16日
目を細めてしまう瞬間が2パターンあった。1つはジャンプスケアが苦手なので、その直前。もう1つはキラキラ青春描写だ。どうにも恥ずかしくなってしまい直視出来なかった。同じくホラー×青春・友情ものであるリメイク版『IT』のジュブナイル感は好きなのでその違いも考えたい。 pic.twitter.com/9nGCKaOAgc
『The African Desperate』
— Taku (@batmanight) 2022年10月22日
美術学校の学位取得の試問にて差別的な質問をする教員。断ってもしつこく卒業パーティーに誘ってくる同期たち。不快感を煽る芸術界の風刺劇をポップに描く。
監督のシムズと主演のスティングリーは共に映画を専門としない芸術家で、本作も鋭くかつ独創的な作品であった。 pic.twitter.com/pfQltZ3Edz
『RRR』
— Taku (@batmanight) 2022年10月23日
今年は『トップガン マーヴェリック』など、「劇場体験による快感」を得られる映画がいくつかあったが、本作もその一つだ。圧倒的熱量に魅せられる三時間はあっという間で大満足だが、引っかかる点もある。 pic.twitter.com/XIAeUmOaZX
『タバコは咳の原因になる』
— Taku (@batmanight) 2022年10月25日
カンタン・デュピュー新作ということ以外、ほぼまっさらな状態で観た。同様にあまり情報を入れずに観て欲しい。恐らく今までの監督作の中でも特に奇妙な映画だが、ブラックな風刺は大健在。『ディアスキン』のセルフオマージュ(だと勝手に思っている)があり、笑顔に。 pic.twitter.com/rEQlS3dEFO
『ブラックアダム』
— Taku (@batmanight) 2022年10月26日
ロック様の肉体が「破壊神」に圧倒的説得力を与え、映画を支配する。彼が完善でないところがスパイスとなるが、逆にDC映画が描いてきた「ヒーローとは」というテーマが光る。話運びの荒さやブラックアダムのキャラ造形などに思うところはあるが、DCに新しい風を吹き込む超力作。 pic.twitter.com/vC85iQqPAp
『虚栄の果て』
— Taku (@batmanight) 2022年10月29日
傑作。タイトル通りの作品。楽しげな家族の集まりと不吉な狩りの場面が交互に写される冒頭から引き込まれる。不穏な雰囲気が漂いながらも起伏のない物語に退屈したり、終盤の見せ方にはあざとさを感じたりしたが、全体的には好きな映画だった。撮影や音楽など、技術的な部分も良い。 pic.twitter.com/YHRMT0faQh
『ライフ』
— Taku (@batmanight) 2022年10月29日
低評価の理由は頷ける。主人公がある失敗(誰にでも起こりうるから怖い)をきっかけに、ひたすら堕ちる様子を三時間みっちり描く。『ザ・リバー』のようにカッチリ構図をキメてくるというよりは、もう少し「揺らぎ」が入っており、それが人は倫理的に完善ではないという本作の要素と被る。 pic.twitter.com/xn8gOIex1n
『カイマック』
— Taku (@batmanight) 2022年10月29日
傑作!貧富の対比を上下層で表す映画は近年でも何作かあるが、今回はそこに一筋縄ではない「ラブストーリー」が置かれた悲喜劇。ロジカルな作りはマンチェフスキー印。タイトルはマケドニア等で親しまれるお菓子だが、「カイマックを集めること」の意味を考えながら観るとより面白い。 pic.twitter.com/xJBWhJubuT
『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』
— Taku (@batmanight) 2022年10月30日
空爆により家に穴が開く。空爆自体は悲劇でありながら、そもそも存在する長引く戦争や家父長制などによる閉塞感が壁の穴によって打破され、希望が見出されるのが面白い。劇中で言われるように現実はより厳しく本作はそのリアルを伝える映画ではないが、かなり良作。 pic.twitter.com/veUXbKGCKc
『セルヴィアム ―私は仕える―』
— Taku (@batmanight) 2022年10月30日
ルース・メイダーの前作『モニタリング』との共通項が分かると楽しいものの、残念ながら設定を活かしきれておらず中途半端になっているところも同様。ホラー調OPクレジットや不気味なシスターに期待値が上がったが、それも含めて思わせぶりな映画に終わった印象。 pic.twitter.com/iAm9Yym6hr
『パシフィクション』
— Taku (@batmanight) 2022年10月30日
評判があまり良くなかったので身構えていたが、自分的にはとても好きな映画だった。南米ポリティカルノワールかと思いきや、急に現実離れした異様な雰囲気に襲われる。3時間は確かに長かったが、それも含めて異空間に連れて行かれた良き体感だった。主人公のブノワ・マジメルが◎ pic.twitter.com/w7rFutvl7o