otaku8’s diary

映画のこととか

2022年上半期映画ベスト10

 例年は何となく順位をつけていたが、今回は基準を設けて点数化して決定。

方法は次の通り

*基準を

①好み

②クオリティ

③作品の意義

として、1〜5点を各項目に割り振って足し合わせた。この際、重み付けとして①は×1、②は×0.9、③は×0.8と決めた。これは自分がその作品を好きかどうかが最も重要であり、次いでクオリティ、作品の意義が大切だと思ったからだ。例えば、好き度が5点、クオリティが3点、意義が4点なら、5×1+3×0.9+4×0.8=10.9点となる。ある程度作品を絞ってからこの基準で順位を決めたものが下。

 

 

①『トップガン マーヴェリック』

 これは全ての項目で満点とした。まず非常に好みだったし、全体的なクオリティも非常に高い。還暦間近のトム・クルーズが「今この瞬間のトム・クルーズ」という存在を文字通り全身全霊で体現したこの作品は、劇場で映画を観る喜びを再認識させたという意味でも非常に意義深い作品。

②『TITANE』

 大好きだ。特に音楽の使い方だったりヴァンサン・ランドン演じる「隊長」など、ツボにハマる要素が多かった。多少歪な作りでもあるので順位付けのためにクオリティ項目は少し下げたが、その歪さが魅力でもある。イデオロギー等の対立や固定観念を脱却して、ひと段階上の「愛」を見せてくれた。

③『恋は光』

 評判通り面白かった。自分は登場人物が皆恋愛のことばかり考えている(恋愛至上主義的な?)映画はあまり好みではないが、本作ほど真摯に「恋」に向き合われると好きにならざるを得ない。キャストや音楽、編集もとても良かった。話しかけられるたびに「あっ」と言ってしまう神尾楓珠には共感した。

④『リフレクション』

 上半期はウクライナの戦争に関連した映画を三本観た。三作とも現状の悲惨さを真正面から訴えるのではなく、映像作品として捻りのある映画だった。その中でも特に『リフレクション』は、多用される窓ガラスを用いた演出をはじめとして映像表現が非常に良かった。

⑤『ザ・バットマン』

 これは自分がDC作品好きということもあり媚び目ではあるが、とりあえず三点素晴らしいところがある。まずは「バットマン=恐怖の象徴」ということを明確に示した冒頭、それと対をなすような彼の人命救助の場面。後者はヒーロー映画にとって重要な要素だと思っている。あとはテーマ曲。本作をあまり評価しなくても、テーマ曲のことを口ずさむことの出来る人は多いだろう。印象的なテーマというのはヒーロー映画には大切だ。

⑥『カモンカモン』

 これも非常に好みだった。上半期にはモノクロの新作がいくつかあったが、本作はその中でも技術的に優れていたと思う。色々な質問を淡々とぶつけていくことで、その人々が住む場所や時代について、何となく全体像が浮かび上がってくるようなインタビューシーンは、キェシロフスキの『トーキング・ヘッズ』を思い出した。

⑦『ナイトメア・アリー』

 上半期は劇場で観て良かったと思える作品が多かったが、本作もその一つ。上質なノワールで雰囲気バッチリ。デル・トロらしさがないと言われるが、「獣人」にまつわる円環構造とエンドロールで「あの子」がメインに映し出されるあたり、デル・トロ感満載で良き。

⑧『ニトラム』

 これも非常に良かった。そもそも実際の大量殺人犯への共感を誘うような映画を作るのはどうなのかという問題は確かにあるが、その点を除けばクオリティ面ではほぼ完璧だと思う。一見すると情に訴えてくるタイプの映画だと思えるが、計算し尽くされた映画だとも思う。

⑨『麻希のいる世界』

 事前情報から、よくある青春映画かなと思って観てみると、良い意味でかなり変な作品だった。冒頭の「距離感」演出で心を掴まれ、そこで描かれた「関係性」は全編に波及する。その中で主人公由希が麻希という少女に向ける、直線的な情動が映画に大きなエネルギーを与えていた。

⑩『アンビュランス』

 楽しかったと純粋に思える映画。多用されるドローンを使ったダイナミックな撮影は物語的に必要かと言われたら否なんだが、それを作っているマイケル・ベイの笑顔が容易に想像できるので、この作品にとっては大切な要素だと言える。