otaku8’s diary

映画のこととか

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年10月に観た新作映画

映画祭の月 『恋するアナイス』先日観た『スペンサー』から引き続き『燃ゆる女の肖像』的な海岸のイメージが前景化したクィア映画でありながら、将来不透明な主人公が自己愛を見い出していく作品とも捉えられる。程よいユーモアが散りばめられており、コメデ…

第35回TIFF『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』壁の穴から見出す希望(ネタバレなし)

www.youtube.com 東京国際映画祭で『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』を観た。このサムネとタイトルが印象的で、とても観たかった作品。これは結構良かった。ユース部門に相応しい映画。 空爆により主人公一家の壁に大きな穴が開く。面白いのは、空爆自体は悲…

第35回TIFF『セルヴィアム ―私は仕える―』自分で考えないの?(ネタバレなし)

www.youtube.com 東京国際映画祭で『セルヴィアム ―私は仕える―』を観た。ルース・メイダー監督作品は『モニタリング』を鑑賞済み。 結論から言えば、悪い意味で期待を超えてこなかった。本作のテーマはキリスト教それ自体というよりは、何かを盲目的に信じ…

第35回TIFF『カイマック』人生の上澄みを集めてみた(ネタバレなし)

www.youtube.com 東京国際映画祭でミルチョ・マンチェフスキー『カイマック』を観た。マンチェフスキー監督の作品は『ビフォア・ザ・レイン』『ダスト』を鑑賞済み。本作の参考になりそうな『柳』は残念ながら未鑑賞。 これは傑作だった。鑑賞済みのマンチェ…

第35回TIFF『ライフ』三時間の地獄めぐり(ネタバレなし)

www.youtube.com 東京国際映画祭でエミール・バイガジン『ライフ』を観た。過去作の『ザ・リバー』は鑑賞済み。本当はその前の『ハーモニー・レッスン』を観たいのだが、なかなか観ることが出来ない。『ライフ』はIMDbでのスコアが4点台だったりと、事前に評…

第35回TIFF『タバコは咳の原因になる』シュールな戦隊モノ?(ネタバレなし)

www.youtube.com 東京国際映画祭でカンタン・デュピューの最新作を観た。最近、日本でも巷を騒がせている(?)デュピューだが、自分は『地下室のヘンな穴』を観逃してしまい、監督作では最近の作品『勤務につけ!』『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』『…

『ジュラシック・パーク』について話したくなったのですこしだけ(自然 vs 人工)

*『ジュラシック・パーク 』『ジュラシック・ワールド』のネタバレあり 『ジュラシック・ワールド』のラストバトルに関して、あれは「自然の摂理 vs 人工物」だという意見をよく見る。つまり、実際に存在するティラノサウルスやヴェロキラプトル(=自然物…

映画批評月間『ブリュノ・レダル、ある殺人犯の告白』感想(ネタバレなし)

アンスティチュ・フランセ日本主催、映画批評月間で観た二作目は『ブリュノ・レダル、ある殺人犯の告白』。 www.youtube.com 1900年代初頭に実在した殺人犯ブリュノ・レダルと、彼を担当した医師の手記を基に映画化したようだ。とある少年を山中で殺害した17…

『悪の法則』と『ノーカントリー』についての雑感 #1

評価の差 Rotten Tomatoesで『悪の法則』の評価を見たことがあるだろうか?2022年9月28日時点ではこんな感じだ。 https://www.rottentomatoes.com/m/the_counselor_2013 一方、同じコーマック・マッカーシーの作品『血と暴力の国』を原作とした『ノーカント…

映画批評月間『恋するアナイス』感想(ネタバレなし)

アンスティチュ・フランセ日本主催の映画批評月間で『恋するアナイス』を観た。日本未公開の作品が上映されるので、あと何作かは観に行きたい。 www.youtube.com 本作はシャルリーヌ・ブルジョワ=タケ監督の長編デビュー作品とのことだが、傑作だったと思う…