映画考察
『プラダを着た悪魔2』を観た。前作はアン・ハサウェイ演じるアンディがメリル・ストリープ演じるミランダの下で右往左往する話だった。ファッションには元々興味がない彼女が、業界で揉まれ、最終的にはミランダと決別する。 本作では、出版社でのリストラ…
『サンキュー、チャック』は、2025年ベスト10に選んだほど、私のお気に入り作品となった。その後、何度も思い返して「良いな」となったから、やはり本作を好きなのだと思う。 本作は基本的には原作を忠実に再現しており、ナレーションの部分も大方、原作の文…
『プロジェクト・ヘイル・メアリ―』を観た。ちなみに、映画を観てから原作に手を出した人間である。映画全体としては色々あるが、本記事では、私が気になった一点に絞って所感を書いていく。劇中、グレースはロッキーから8個の数珠玉が付いた、連結した二つ…
『私がビーバーになる時』を観た。動物を主人公としたアニメーション映画は数多く存在する。特に近年、それによって現実の人間社会を風刺するような寓話性のある作品が目立つ。しかし、このアプローチには大きな欠点があると思っている。そもそも、自然界に…
『ウィキッド 永遠の約束』を観た。後述するように素晴らしかったところはあるが、全体的に絶賛とは言えない感じである。なお、ミュージカルの方は見ていない。 本作の大まかな構図は、『オズの魔法使い』として知っている物語はあくまで一面であり、その裏…
雑記(前置き) 2025年映画ベスト10 雑記(前置き) 明けましておめでとうございます。2025年の新作ベスト10を書きます。なお、bestと言いつつ、あくまでfavoriteな視点で選んでいます。ちなみに、これに対する良い表現が、ヨアキム・トリアーの新作『センチ…
三宅唱監督の最新作『旅と日々』を観た。個人的には超面白かった。特に大きな事件が起こるわけでもないのに、ただ面白いのだ。同時に、三宅監督つながりで、2022年の映画批評月間で公開された『ブリュノ・レダル、ある殺人犯の告白』が脳裏をちらついた(三…
ギャレス・エドワーズ『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(以下、『復活の大地』)を観た。最新作『復活の大地』を語る前に、シリーズの原点に少し触れておきたい。 『ジュラシック・パーク』(1993) 『復活の大地』 「生きた恐竜」の再生 「傲慢さ」へ…
前評判が良かったこともあり、『この夏の星を見る』を観た。確かに良かった。もっとも、群像劇としての交通整理は十分とは言えず、途中は中弛みを感じた。その意味で、脚本はもっと上手く出来たはずである。ただ、その不満点を補うだけの魅力も感じた。特に…
www.youtube.com www.youtube.com レア・セドゥ主演のベルトラン・ボネロ『けものがいる』を観た。原作はヘンリー・ジェームズの短編『密林の獣』。同短編はちょうど同じくらいの時期に、パトリック・シハが『ジャングルのけもの』として映画化している。個…
ランキング参加中映画 クリス・サンダースの新作『野生の島のロズ』を観た。同監督の『ヒックとドラゴン』が大好きであり、本作の評価も非常に高かったので、期待が高まることは必至であった。結論から言うと、とても良くできた作品であり、感動もしたが、引…
ランキング参加中映画 www.youtube.com マグヌス・フォン・ホーンの新作『針を持つ少女(原題)』(→『ガール・ウィズ・ニードル』)を観た。第97回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされている。第一次世界大戦後のコペンハーゲンを舞台に、工場労…
ランキング参加中映画 www.youtube.com 『バード ここから羽ばたく』として日本公開決定 アンドレア・アーノルドは「居場所」について、アプローチを変えながら描いてきた。イギリス郊外をダルデンヌ兄弟みたく描いたかと思えば、同じようなテーマで『嵐が丘…
ランキング参加中映画 リドリー・スコットの新作『グラディエーターⅡ』を観た。正直なところ、リドリー・スコット作品という前提で見れば、そこまでビジュアル的に惹かれるショットはなく、前作をなぞったような部分はそんなに面白くはなかった。また、全体…
高評価を得た『ジョーカー』だが、必ずしも絶賛一色ではなかった。「面白くない」「スコセッシ映画に頼り過ぎ」といった意見も散見された。それでも、前作が多くのフォロワーを獲得したことは事実である。劇中におけるアーサーが観客の共感を呼んだのなら、…
ランキング参加中映画 ローズマリー・ハリス(Rosemary Harris)は稀有な俳優である。1927年9月19日生まれハリスは、現在96歳であり(2024年7月現在)、9月には97歳を迎える、世界最高齢の現役俳優のひとりと言っても過言ではない。また、ハリスは舞台、映画…
まず個人的に、クリストファー・ノーランは「世代」の監督である。ノーランの映画に初めて出会ったのは『バットマン ビギンズ』。それ以降ノーラン映画を追っていて、『ダークナイト ライジング』は人生で一番楽しみな映画だった(公開前にあそこまでネット…
『アクアマン/失われた王国』を観た。本国での前評判があまりに悪かったので心して観たが案外面白かった(逆に前評判が異常に良い映画は蓋を開けてみたら…というケースもよく見る)。アーサーとオームのブラザーフッドものとして良かったし、アクションは前…
2023年に観た新作映画について。2023年(12/19現在)は旧作207本、新作144本の計351本を観ました。ベスト10はこちら #2023年映画ベスト #2023年映画ベスト10① オッペンハイマー②フェイブルマンズ③タタミ④ ヒトラーのための虐殺会議⑤ ダンジョンズ&ドラゴン…
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を観た。レビューをザッと眺めたところ、ティム・バートンの『チャーリーとチョコレート工場』でジョニー・デップが演じたウォンカに比べ、本作のウォンカには毒がないという意見が大半な印象だった。ただ、自分は…
『ジョン・ウィック』シリーズは単なる復讐譚だろうか?確かに「復讐」は重要なキーワードであるが、最新作まで観て思ったのは、このシリーズは「機械論、決定論的世界から抜け出したい男の闘争(逃走)劇」だということだ。この意味で、僕の好きな『ノーカ…
自分は熱心なジブリファンでも宮﨑駿ファンでもない。という立場として、特段面白くはなかったが嫌いではなかった。映像も久石譲の控えめな劇伴も良かった。ただ、全体的には鈍重な話運びをしながらも最後は駆け足であり、中途半端な作品だという印象は拭え…
『ザ・フラッシュ』の感想です。期待よりは下回ったが好きな映画である…と言いたいが、文句もある。 良かったところはキャラクター同士のフィジカルなやりとり。核となるバリーと母の場面は良かったので、そこは安心した。世界のために母を死なせるという着…
前半ネタバレなし、後半ネタバレあり www.youtube.com ネタバレなし イエジー・スコリモフスキ監督の新作『EO』をポーランド映画祭で観た。個人的なポーランド映画祭の思い出といえば、昨年イメージフォーラムで開催された『DAU. 退行』オールナイト上映の直…
www.youtube.com ネタバレあります 試写会にてアレックス・ガーランドの『MEN 同じ顔の男たち』を観た。なかなか良かった。 アレックス・ガーランドはこれまで「ハードSFっぽい何か」を撮ってきた。本作はその「っぽい何か」の部分を煮詰めたような印象だっ…
*『ジュラシック・パーク 』『ジュラシック・ワールド』のネタバレあり 『ジュラシック・ワールド』のラストバトルに関して、あれは「自然の摂理 vs 人工物」だという意見をよく見る。つまり、実際に存在するティラノサウルスやヴェロキラプトル(=自然物…
評価の差 Rotten Tomatoesで『悪の法則』の評価を見たことがあるだろうか?2022年9月28日時点ではこんな感じだ。 https://www.rottentomatoes.com/m/the_counselor_2013 一方、同じコーマック・マッカーシーの作品『血と暴力の国』を原作とした『ノーカント…
いまさらながら『NOPE/ノープ』を観た。鑑賞が遅れた理由は、評判によるとこの映画は「IMAX案件」らしいのだが、なかなか都合が合わなかったからだ。確かに、できればIMAXで観てほしい作品だった。もっといえば前の方の席が良いと思う。観るのが遅かったの…
さかなクンをのん氏(←素晴らしかった)が演じるということで気にはなっていた映画だが、予告編以上の情報は殆ど入れずに観た。予告編の印象だと、所謂「いい話」なのかなと思っていた。実際観てみると、確かにいい話ではあるのだが、予想以上に「奇妙」な作…
本作だけでなく,本シリーズのネタバレを含みます はじめに 感想 良かったところ イマイチだったところ はじめに 『ジュラシックパーク』シリーズには思い入れがあって,自分の人生の根幹をなす作品の一つである.いまのところ,シリーズの作品は手放しでは…