傑作が多かった
『フランス』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月1日
様々な"顔"で魅せるレア・セドゥの独壇場。ジャーナリズムを虚栄心を満たす場だと思っていそうな人気キャスターを演じる。「撮る」という暴力を行使し、自らもそれに曝されながら次第に"顔"の切り替えが効かず崩壊していく。彼女の名が"フランス"である故の切れ味ある着地が良い。 pic.twitter.com/Ygn5qv4oC3
『ザ・バットマン』や『ジョーカー』が作られたように,独立作やユニバース作品がごちゃ混ぜでも個人的には良い(一般客向けではないが)ので,カヴィルのスーパーマン映画も平行して作ってほしい.スーパーマンのキャリア初期の物語はまた見たい気持ちは前々からあったので,それはそれで楽しみだが.
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月15日
『マッドゴッド』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月2日
大傑作!(我々の)神ことフィル・ティペット渾身の力作。グロく魅力的な造形物で溢れる悪夢的世界の深淵に降りていくが、気付けば本作は観客を置いて、正に神のごとく人類を超越しようと試みる。その超越した視点で人間世界を遊戯のように風刺したブラックコメディにも感じられる。 pic.twitter.com/qq8EPsDB0U
『ミスター・ランズベルギス』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月3日
大傑作。リトアニア独立の指導者であるランズベルギスを主役に据えたドキュメンタリー。例によってアーカイブを繋ぎ合わせた、群衆の"顔"が印象的なロズニツァ節だが、個人的には過去作のなかで一番観やすかった(流石に4時間の長尺は疲れたが)。 pic.twitter.com/Zj1TvKqELD
『グリーン・ナイト』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月4日
良かった。カメラの動きにちゃんと物語が宿っている。最近の映画でも何作か思い浮かぶ「自分物語の欠如」というテーマ。ショーン・ハリスが非常に良かった。
デヴィッド・ロウリーは蓮實重彦のお墨付きでもあり、今後もチェックしていきたい監督(権威主義みたいだが)。 pic.twitter.com/hihu0FsBDT
『VORTEX』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月4日
良かった。『ルクス・エテルナ』から続くスプリットスクリーンが老夫婦の関係を分断する。同じ家にいる二人の行動は互いに不可知なのに、観客だけが知ることが出来る点が苦しい。
認知症がテーマだが、より根底にあるのは広義の「死」「喪失」ではないかと思う。 pic.twitter.com/1w6PZtTSlz
『アポロ10号 1/2 宇宙時代のアドベンチャー』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月10日
ひっそり配信されているリチャード・リンクレイター新作。宇宙よりも、60年代ヒューストンが舞台の監督の自伝的な文化史がメイン。でもこの題は好き。激動の時代において、地球の外に内なる物語を見出す。ロトスコープによる「あの日々」の描き方が良い。 pic.twitter.com/Lgz54z4Znq
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月10日
とにかく美しい。今年は本作と『マッドゴッド』という対極の素晴らしいストップモーションアニメが誕生した。美しいといえば、デスプラの音楽も『シェイプ・オブ・ウォーター』に比肩する良さ。本作と似た『パンズ・ラビリンス』ほどの毒はないが、同様に傑作。 pic.twitter.com/11sgWt0Tse
『おやすみ オポチュニティ』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月11日
傑作。双子の火星探査機を開発し、15年間にわたりその運用に携わった人々を追った人間讃歌。ドキュメンタリーとしては手堅い作りだが、題材の良さもあって素晴らしい作品になっている。科学者やエンジニアがプロジェクトに懸ける想いをド直球で見せつけられ、感動。 pic.twitter.com/4PwGtZWHXr
『パラレル・マザーズ』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月11日
注目したいのはクルスの役が写真家である点。本作のキーアイテムの一つも写真。カメラは現在を切り取るが、次の瞬間からそれは過去になる。対して、写真が見られるのは未来だ。パーソナルな母親物語と歴史物語という本作の二つの要素の間に、常にそういう時間的広がりがある。 pic.twitter.com/lht06nG5zC
『#モリコーネ 映画が恋した音楽家』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月13日
素晴らしい。正直160分近くモリコーネの音を体感できるだけで満点以上なのだが、純粋に傑作。本人の回顧を軸に様々な映画・音楽人が語る「モリコーネ」が織り交ぜられていく構成で、その二つの呼応によりマエストロの偉大さが浮かび上がっていく。@FansVoiceJP pic.twitter.com/51OxKEBRPz
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月17日
現実/虚構の差などどうでも良く思わせてくる映像については全編凄まじいのだが、特に『タイタニック』で使っていたような水没するリアルなセットとモーションキャプチャーのアバターが同居するところに感動。 pic.twitter.com/aAqDZQX3aZ
『#離ればなれになっても』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月17日
かつて親友であった4人の男女は大人になるにつれてその関係性も変化していく。様々な過ちを犯し、それにより心の距離が「離ればなれ」になっても人生は続いていくのだ。過去パートが特に好きで、その終焉となる、とある場面での若く激しい情動が凄まじい。@FansVoiceJP pic.twitter.com/DJJ9me2mxr
『THE FIRST SLAM DUNK』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月18日
大傑作。バスケについての作品であるくらいしか前知識がない状態で敢えて何も調べずに鑑賞したが、非常に丁寧な人物の描き込みであるため物語の理解に全く問題はなし。かといって説明的な訳でもなく、そこに引き算の巧さがある。 pic.twitter.com/lGBfH6XUaW
『ケイコ 目を澄ませて』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月18日
『THE FIRST SLAM DUNK』がアニメーションだからこその映画だったように、こちらは16mmフィルムの実写でしか成し得ない大傑作だった。岸井ゆきのが本当に素晴らしい。ろう者を演じているから、ではなくて一人間を繊細に表現する力が凄まじい。 pic.twitter.com/P2MxczHoUO
『#ノースマン 導かれし復讐者』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月19日
シングルカメラが映すアクションには物語が宿り、非常にパワフル。古典的な復讐劇で、エガースが大衆も楽しめるエンタメを提供できると示した新境地かつ、前二作から受け継がれる作家性も強く感じる傑作。それにしてもA. スカルスガルドの魅力を再発見。@FansVoiceJP pic.twitter.com/YtSQuOEYWP
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月25日
傑作。前作同様魅力的なキャラによるエンタメ性抜群のミステリーで楽しい。今回は集団心理に揺れ、「真実」が氾濫するコロナ禍を文字通り反映させた巧みな一作に。それにしてもノートンが語る「破壊」の論理で『最後のジェダイ』を思い出して仕方がなかった。 pic.twitter.com/YkquJhiQat
『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月25日
作りはよくある伝記映画でという感じでだが、かなりサクサク進むので物足りないと思う人もいるだろう。個人的に良かったのは、本作が悲劇を見せ物するタイプの映画になっていないところ。 pic.twitter.com/kqx9eDj21f
『光復』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月25日
深川栄洋監督が商業から自主映画に回帰して撮った超怪作。「生きていれば何か良いことがある」と人は言うが、本作の主人公はただ生きることそれ自体が受難であるかのように、ひたすら地獄巡りをさせられる。 pic.twitter.com/YESMW2gzPG
『13人の命』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月25日
事故の記憶が新しく、製作のニュースを聞いたときは早くないか?と不安だったが、これが傑作。余計なドラマに時間を割かず、徹頭徹尾プロフェッショナルな救出劇を描くロン・ハワードのプロフェッショナルな職人技に惚れる。キャストの抑えた演技も素晴らしく、特に言うことなし。 pic.twitter.com/tFWoayET5Y
『その道の向こうに』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月26日
非常に良い。ジェニファー・ローレンスの代表作がまたひとつ増えた。反復される水(プール)を介した演出や人物の表情をしっかり捉えるカメラによって、心情の機微を繊細に表現していく。劇伴はヨンシーのパートナーであるアレックス・サマーズが担当で、これも素晴らしかった。 pic.twitter.com/09eR9kNjYE
『フラッグ・デイ 父を想う日』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月28日
一般評価は微妙だが、個人的には大当たりのアメリカン・ニューシネマ的作品。『イントゥ・ザ・ワイルド』のクリス・マッカンドレスのように父は社会規範に対立して破滅に向かう。今回はそういう存在を、その流れを受け継ぐが…という娘の視点から見つめる。 pic.twitter.com/en6WKpg3eo
『バイオレンスアクション』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2022年12月29日
アクションの振り付け自体は悪くないが、編集やメリハリのない音の付け方が良くない。漫画的表現を実写に落とし込むことを放棄しているように感じる(成功例は最近だと『RRR』の一対多の場面)。悪役側は結構魅力的で、特に城田優の竹内力みたいな存在感は良かった。 pic.twitter.com/CIzhi3WpTJ
『バッハマン先生の教室』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2023年1月1日
移民が多い地区にある学校で、担任のバッハマン先生と生徒たちの一年間を記録した三時間超えのドキュメンタリー。未来を担う生徒たちと定年間近のバッハマン先生のやりとりが、WWⅡ時のその地区における負の記憶と呼応するように深みを増していく。年間ベストに入れました。 pic.twitter.com/GY39d0xRbz
『チェチェンへようこそ ―ゲイの粛清―』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2023年1月1日
チェチェンでの同性愛者迫害を暴く内容は、現代の出来事とは思えず非常に衝撃的。身の安全のために顔をディープフェイクで処理している。同じような目的で『FLEE』ではアニメ化という手を使っていたが、ドキュメンタリーにおける表現法という意味でも興味深い。 pic.twitter.com/1aUQF03BXt
『メタモルフォーゼの縁側』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2023年1月1日
芦田愛菜があまりにも完璧ではないか。 pic.twitter.com/tr3qKWEU1Q
『そばかす』
— Taku (@glaneurs_et_al) 2023年1月7日
「相手は異性への恋を求めている」との前提のもとに行われるコミュニケーション=圧力…を日常的に感じるので納得度が高い。ただ、脱ステレオタイプを目指すために映画の作り自体がステレオタイプに陥っている節はある。『ドライブ〜』で無表情だった三浦透子が表情豊かで非常に魅力的。 pic.twitter.com/vzBKh2tRpv